薬剤師が転職をするときには、必ず面接対策を行っておきましょう。とはいえ、どう対策したらよいのかわからない人や、面接時の質問の答え方に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は、薬剤師の面接対策について、面接の流れや答え方のコツを例文とともに紹介します。薬剤師の面接対策のポイントを知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
1
まずは薬剤師の面接の基本的な流れを確認
薬剤師の面接対策を行うにあたっては、まずどのような流れで面接が行われるかをイメージしておきましょう。基本的な面接は、以下のような流れになります。
-
1 自己紹介
-
2 これまでの経歴・キャリア
-
3 志望動機
-
4 転職理由
-
5 質疑応答
-
6 逆質問
5の質疑応答は、応募者に合わせた質問などが行われます。また、調剤薬局・病院・企業など、働く場所によっても大きく変わります。
とはいえ、それ以外の項目は、薬剤師の面接で必ずといっていいほど聞かれる質問ですので、淀み無く答えられるようにしっかりと準備しておきましょう。
2
薬剤師の面接でよく聞かれる質問への回答例
上述したとおり、薬剤師の面接では自己紹介・経験・志望動機・転職理由・逆質問といったことを聞かれます。
以下で、答え方を考える際のポイントや、実際の例文などを解説します。
2 - 1
自己紹介をしてください
薬剤師の面接では、ほとんどの場合「簡単に自己紹介をお願いします」と、自己紹介をするように促されます。自己紹介の例文は、以下を参考にしてみてください。
【例文】
◯◯(自分の名前)と申します。本日は貴重なお時間をとっていただき、ありがとうございます。
◯◯大学薬学部を卒業後、△△病院にて4年間、調剤室と病棟業務に携わりました。その後、調剤薬局へ転職し、現在に至ります。現在はチームリーダーとして日々の業務に励んでいます。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
自己紹介をする際は、まず面接の機会を設けてくれた相手にお礼を伝え、氏名や簡単な経歴を伝えましょう。ハキハキとした明るい口調で話し、コミュニケーションがしっかりと取れる相手であると印象付けることが重要です。
2 - 2
これまでの経歴・キャリアを教えてください
自己紹介が終わったら、次には「これまでの経歴・キャリアを教えてください」といった質問が続くのがポピュラーです。
経歴は自己紹介でも軽く触れますが、本質問ではより具体的な数値や業務内容、スキルや強みを伝えていきましょう。
【例文】
△△病院にて4年間、調剤室と病棟業務の両方に携わることで、薬剤師としての基礎を固めました。次に、薬局経営の知識と経験を深めるために◯◯調剤薬局へ移りました。ここでは、入社3年目から管理薬剤師として、一般薬剤師や事務員を含む8名のチームを率いています。
チームは患者様のQOL向上を最優先事項とし、調剤時間の短縮と質の高い服薬指導に努めてきました。この取り組みにより、患者様のリピート率は12%アップし、チームとしても大きな成果を上げることができました。
この経験を通じて、マネジメント能力や、チームワークを活かす能力、目標に向かって人を動かす力を磨くことができました。今後はこれらの経験を活かし、さらに患者様一人ひとりに寄り添った薬剤師として、質の高い医療サービスの提供を目指していきたいと考えています。
経歴やキャリアを伝えるときは、のちの志望動機や質疑応答などでも被る回答になる可能性があるため、冗長にならないように注意しましょう。
2 - 3
志望動機を教えてください
志望動機は履歴書・面接で重要視されるポイントなので、しっかりと応えられるよう準備しておきましょう。履歴書との整合性が取れているのはもちろんのこと、「なぜこの志望先なのか」「自分の経験やスキルをどのように活かせるのか」「今後のキャリアプランについて」などを盛り込みましょう。
【例文】
病院で薬剤師として勤務し、患者様との日々の接点の中で、薬剤の適切な管理と患者様自身の治療プロセスへの深い理解がいかに重要かを深く学びました。この経験から、私に患者様一人ひとりとじっくり向き合う「かかりつけ薬剤師」への強い興味を抱くにいたりました。御社がかかりつけ調剤薬局の推進に注力していると知り、私のキャリアビジョンと一致していたことが、今回志望させていただいた一番の理由です。
御社で採用していただけましたら、患者様の健康と福祉の向上に尽力し、御社のかかりつけ調剤薬局としての役割を一層強化できるよう、全力を尽くしたいと思います。
なお、「給料がよいから」「福利厚生が充実しているから」など、待遇面に関して述べるのは、面接官にマイナスのイメージを与えてしまうためNGです。
2 - 4
前職の転職理由は何ですか?
前職を転職した理由や、現在の職場から転職する理由も、薬剤師の面接で聞かれることの多い質問です。面接官は志望者がどのような問題や課題によって転職したかや、自社での転職でそれらが解消できるのかを見ています。
【例文】
以前の職場では、入院中の患者様に焦点を当てることが多く、患者様の日常生活での健康管理に直接関わる機会は限られていました。そのなかで、ふだんの病気の治療や症状のコントロールが患者様の健康やQOLに与える影響を考えるようになり、在宅医療に興味を持ちました。ですが、前職は在宅医療にあまり力を入れておらず、在宅医療に注力している貴院への転職を希望しました。
転職理由がネガティブな場合は、ポジティブな理由に変換して伝えましょう。ネガティブな理由をそのまま伝えてしまうと面接官に「同じ理由でやめてしまうのでは」と捉えられ、採用に影響する可能性があるからです。
2 - 5
何か質問はありますか?(逆質問)
面接の最後には、ほぼ必ず「なにか質問はありますか?」と、いわゆる逆質問の機会が設けられます。逆質問は、転職や転職後の働き方に前向きであることをアピールするチャンスですので、必ず何かしらの質問をしましょう。
【逆質問の例】
入職前になにか学んでおいたほうがいいことはありますか
働かれている薬剤師の方々の1日のスケジュールを簡単に教えていただけますか
子育てをしながら勤務されている方はいらっしゃいますか
社外の研究会などへの参加は可能でしょうか
逆質問では、転職直前や転職後の業務などに関する質問をすると、面接官にもやる気があると印象付けられ、ミスマッチも防ぐことが可能です。ただし、求人募集・パンフレット・公式サイトなどに記載されている項目を質問してしまうと「調べが足りない」と思われてしまうことも。事前のリサーチをしっかりとして、逆質問に備えましょう。
2 - 6
その他の想定される質問をチェック
これまで解説したほかにも、薬剤師の面接では様々な質問をされる可能性があります。以下で、比較的よく聞かれる質問を記載しておきますので、自分や志望先に当てはまりそうなときは、前もって準備しておくとよいでしょう。
【質問例】
これまでどのような環境で調剤を行っていたのかを教えてください
今までに応需した経験のある診療科目を教えてください
どのあたりのエリアで、何店舗ほどのマネジメントを行っていましたか
お客様が聞いたことのない医薬品について尋ねています。この状況にどのように対応しますか
お客様が使い切っていない処方薬を持参して「薬が効かない」と仰っているとき、どう対応しますか
弊社のほかに選考を受けている会社はありますか
応募企業を選ぶ基準があれは教えてください
あなたの長所と短所を教えてください
今後のキャリアプランはどうお考えですか
薬剤師の面接では、専門的なことに加えて一般企業でも尋ねられるような質問も想定できます。どのような質問がきても慌てずに答えられるよう、しっかりと準備をしておきましょう。
3
どんな回答でも、ネガティブなことはポジティブに変換しよう
薬剤師だけでなく、どのような面接においても、回答でネガティブなことを述べるのは辞めておいたほうが無難です。面接官にマイナスの印象を与えてしまう可能性があることが理由です。
面接の回答で嘘をついたり具体的な数字を改ざんしたりなどは絶対にNGですが、ポジティブなことをネガティブに言い換える程度であれば問題ありません。
例えば前職で残業の多さが原因で辞めた場合、単純に「残業が多く、体力的にキツかったので」と答えるよりは「前職では仕事量が多く、患者様一人ひとりと密なコミュニケーションを取るのが難しかったため、より患者様に寄り添った業務をしたいと考えた」としてみると、前者より印象はよくなるでしょう。
ネガティブな事柄は、ほぼすべてポジティブに言い換えることが可能です。もし「この答え方はネガティブだな」と感じたら、ポジティブに変換できないかどうか検討してみてください。
4
面接は回答だけでなく態度にも気をつけて
いくら面接の回答を完璧に暗記していても、態度が悪ければ採用に繋がりません。面接時は、面接に相応しい態度を取るようにしましょう。
例えば、ハキハキと明るく大きな声で、かつゆっくりと喋れば、面接官にポジティブなイメージを与えられます。喋るスピードは、プライベートでの会話よりも少しだけゆっくりとしたイメージで。早口は焦っているような印象を与えてしまいます。
また姿勢を正す、相手の目をしっかり見て話すことも重要です。姿勢が悪かったり、視線を下に向けて喋ったりしていると、自信のなさが伝わってしまいます。
もし面接が苦手な人は、家族や知人に模擬面接を行ってもらうのも良い手段です。
5
まとめ
今回は、薬剤師の面接対策について、面接の流れや答え方のコツを例文とともに紹介しました。
面接が苦手だったり、面接時の回答をどうしたらよいか悩んでいる人は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。